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まい・エピソード: 昇天

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小学5年生の時。僕は、学校から帰っても、夕ご飯まで家の周りを散歩するのが常だった。
ある時。歩道を車いすで走っていると。。
「あ!やべ」
”ガタン”と、車いすが横倒しになって、僕は車道に投げ出された。
よそ見をしていたのだろう。。誤って歩道から脱輪してしまったのだ。今までの人生の中で、これだけ恐怖を感じたことはない。。
強くアスファルトに頭を打ち付けた。。
自分の力では起きれない。。周囲を見渡しても自分一人。
「この後どうなるんだろう。。」
先ほどまでの恐怖とは別に、孤独感にさいなまれた。
「なんでこんなことに。。」
無性に後悔の念が僕を襲い日頃の不注意さを反省した。。
助けを呼ぶにも、通りかかる人はいない。。ちょっと、車道に出すぎている。
「車がきても大丈夫かな~。気づくかなー」って思っていたところ、5分くらいたっただろうか。。自動車が勢いよく迫ってきた!
一瞬、「ひかれる!」と思った。
車は、数メートル手前で止まり、中から、男性が降りてきた。
「大丈夫ですか?」「はい」
「自分で起きたりできますか?」「ちょっとできません。。」
「どうしたらいいですか?」「起こしてもらっていいですか?」
そのようなやりとりを交わし、乗用車の大人の人は、車を走らせていった。

事故現場から自宅までは、100メートルくらいのところ。家の近くまで車いすを走らせて戻ると、母親が立っていた。
「帰ってきたの?」僕はうつむき加減に。。「帰ってきた。。」
それから、何もいわずに、家の中へ。。
5分くらいたった後、「さっき、歩道から落ちて横転したんだ。。」
母は慌てることなく、真っ先に身体に怪我がないか調べてくれ、そして「車いすは大丈夫だったの?」と確認してくれた。「家まで、走れたから大丈夫だったと思う。。」調べてみると、右タイヤのスポークが6本ほどおれている大事故だった。。
母は、「あんたそそっかしいからねー。いつか大けがするよ。気をつけるんだよ。」と僕のそばに寄り添っていた母がいた。

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