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旭山動物園 坂東園長来る

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八雲小学校に、家庭教育勉強会の講師として坂東園長がこられたました(^_^)v
最終の汽車で帰らなければならいないという強行スケジュールの中、「伝えたいのは命の輝き」のテーマ。


旭山動物園の作業着で登場した坂東さん。ズボンの裾が、靴下の中にINだったのは、普段からなのか?ちょっとした疑問が残りつつも、いつも私たちが拝見する旭山の坂東さんのままで、静かに語り始めました。(ちなみに、旭山の園内で拝見する姿はいつも一人でいることが多く、その視線は、お客さんよりも、やはり動物へ注がれています。。)
以下講演内容
続き
『先月までは、テナガザル館のこともあり、大変でした。今の旭山は、人が多く、どちらかというと、よいこともよりも、マイナスのほうが多いんじゃないかな。もうちょっと人が少なくなった方がよい。
人が増えて、地元の人が離れていっているんですね。旭川まで遊びにきたから、案内で一緒に来園することはあっても、自分のためにくることはない。
「すいた頃に、行きますよ」と言ってくれるけど、でもいつになるかはわかりません。』

『動物園に、保育所で子どもたちを連れてくることがあるんですが、やはり、人の行列で思うように、動物たちを見せて上げられない。
「みえないーーい」「みえないーーい」って言っていると、どけてくれるのかと思いきや、
関西系のおばちゃんじゃないかな。。「あんた何よって」感じでジロっと一喝するんですよね。「あななたちは、いつでもこれるじゃないの、私たちは、高いお金を払って、わざわざ来ているんだからね」って感じです。
これでは、動物を見に来たのか?おばちゃんのお尻を見に来たのかわからない。(^^;)』

『旭山動物園に来られた方なら、ご存じだと思いますが、山に作られているために、とにかく坂が多いんですよね。車椅子で来られているかたもいるんですが、ちょっと困っている方を見かけても、手をかそうとしない。そこにいるんだったら、助けてくれればいいのに。逆に、それは、職員への苦情として現れる。怠慢だってね。
 ハートビル法というものがあって、旭山でも一時期真剣に、取り組んだのですが、50億円ほどかかってしまう。
今の時代では、手を貸してしまって、かえって”あだ”になることもあるからなのか。なんでも自己責任とかえって、責任転嫁。最近、個人の権利の主張が言われていますが、そうした助け合いがみられない。』

『人が多いと、迷子も多いんですね。30分ぐらいたって、探しに来ないと、今の時勢では、警察を呼ぼうって話になる。猿山では、ボスがしっかりしていると、規律がしっかりしています。しかし、ボス猿がいなくなった、集団は、何かあったら、親猿がわれさきにと、赤ちゃん猿をおいて、逃げ出すんです。そこは、社会とは機能していません。僕が、もし、人間の飼育担当だったら、もうこの社会はだめだなって思います。』

『話が長くなりましたが、本題に入ります。旭山の原点です。
変な話ですが、象は象で振る舞っている。死ぬ間際でも、元気のまま。彼らの目は、まったくうらやむ目をしないんです。生き物は必ず死ぬんです。
相手を考えること、思いやることはどんなことなの?
痛み・苦しみをも受け入れるという生き方。
ふれることなく、うらやむことなく、自慢することなく、生きる純粋さ・気高さ。
こうだろうと、思いこんだものでものではなく、ありのままを伝えたい。
そこが、旭山の原点です。』

『たぬき・きつねの舎があるんですが、それが、「くさい・「くさって」といって、前を通り過ぎるところになっている。そこで、お金がないものですから、拾ってきた材料を作って、ふたを開けてのぞけるようにしたんですよ。人って、のぞくのが趣味なんじゃないかな?そうすると、なんだろうって?ふたをあけるんですね。このときには、においも認めてしまっている。よく、旭山は臭いがしないですねって言われるんですが、それは違うんですね。他よりも動物との距離が近い分、臭いはするはず。恐らく、臭いをも認めているんじゃないかなと思います。』

『まだ、旭山がこれほど込んでいないとき、市内で遠足でこられることがあるんですよ。入り口から入って、始めに見えるのが、フラミンゴ。3匹いるんですが、子どもが、「お父さんはどれ?」って聞くと、「大きいのが、お父さんで、一番小さいのが子ども」と先生が説明している。嘘でもいいんです。問題なのは、アザラシ館をみせる。子どもは純粋なんです。ちょっとした仕草をおもしろいと思ってみている。先生も次の予定があるんでしょ。さあ行きますよといっても、子どもは、まだみたーいって。それでも先生は待ちますが、しばらくして「ラッコじゃない。ただのアザラシなんだから、いきますよって。子ども「なんだ、ただのあざらしかって」僕も、飼料を運んで園内にいますから、それを聞いて、「先生?ただのアザラシってなんですか(-_-)」って、よく喧嘩していました。
 これは、お客さんが悪いだけって、わけじゃないんです。そうした命に価値をつけてきた動物園側にも責任がある。稀少な動物は大切で、その辺にいる生き物はそうでないみたいな。そうしたら、子どもの興味はそれで終わってしまうんですね。』

『これは、ヒョウの檻なんですが、ネコ科の動物は寝るのが仕事なんですね。以前は四角い檻だったんですが、閉園後掃除をすると、石ころがいっぱいなんです。起きろ起きろって、投げつけたんですね。
つまらないで終わらせない。こうして、ありのままを見せたいって形にしたのが、旭山なんです。動物たちも、環境が変わった途端、いろいろな姿をみせてくれる。思いこんでいたのは、自分たちなんだなって、思い知らされます。』

『ペンギン館。よちよち歩いているペンギンを見てもらう前に、まず海中トンネルからみるような仕組みになっているんです。おじいちゃんが、「ペンギンはどこにいるんだ_?」って。目の前にいるんですが、それがぺんぎんだってわからない。別な生き物に写っているんです。「あれはなんだ?」形が流線型なんで、「マグロか?いやいや、背中から気泡が出ているんで、いるかだよ」って話している。
私たちは、よちよち歩く、ぺんぎんのイメージで勝手に、かわいい、弱いものときめている。』
『オラウータンって、ねちっこい性格なんです。とにかく、じっくり考えてから行動に移す。それに対して、チンパンジーは、やってから考えるような性格』

このような感じで、坂東さんの動物と、人をつなげる、話に引き込まれながら、話はオラウータンの子育てや、ワンポイントガイド、喪中のパネルの話へと展開されていきました。

『競争
ここからは、自分の考えなんですが、運動会で、手をつないでゴールってきくんじゃないですか。それってかわいそうって。これって、大人がそういう価値観をつけているんじゃないかな。僕は、1位・2位・3位・4位とそれぞれの価値を見つけて上げればいいと思うんです。』

『ライオンは、群れでいきる生き物なんですが、ある程度大きくなると、雄は群れから出て行かなくてはならないんですよね。強いものがその群れに残ることになるんですが、弱肉強食。こう見ると、力の強いものが生き残るふうに見えるけど実は違うんです
種を残すのは、弱いもの。アフリカの半砂漠化しているところにもライオンは生きているんです。強いものは、環境が変化したときも、その場所にい続けるんですよ。
力が強いと、その場所で従わせようとする。しかし、食べるものが一つもなくなったときに、死んでしまう。群れから離れたライオンは、様々な環境にも適応できる。
そこから、はずれた変わった人が、次を作るんです。』

『共生と共存
以前北海道にもオオカミはいたんですが、それを人間が絶命させてしまった。エゾシカを守るために、そして、今度は、エゾシカが害獣になっている。
草原をみていると、きれいと言っているが、一度、そこに家を持ってしまうと、それまできにならなかったものが、害虫・害獣になってしまう。
人と、生き物は共生は無理。共存をしていけることを考えるべき。』

また旭山にいってみたいと思った講演でした。
みなさまありがとうございました。

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2009年09月14日(月)13時01分 編集・削除

旭川から八雲に来ました。
僕は、合ってみたい。

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