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コレスペAT講座その1:「ITってなあに?」

 IT機器を利用することで、例えば足の不自由な方が、書店に足を運ばなくても、ほしい本を購入できたりと、ITは障害者の生活を大きく変えようとしています。みなさんは、障害者IT利活用支援と聞いて、何を始めるでしょうか?
 パソコンの使い方やインターネット利用、もしくは重度障害者への意思伝達装置の導入や、スイッチの調整といったことに注目が集まるかもしれません。しかし、一方で、「なぜパソコン利用の支援が作業療法になるのか?」「IT利活用支援の対象者は、重度障害者のみではないの?」「ITといわれても、雲をつかむような話で、正直なところ、何に関わってよいかわからない。」という話も聞かれます。
では、ITとは、そもそも、なんなのでしょうか?
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「名前もわからない“それ?”」を、みなさんなら、どのように紹介されるでしょうか?
例えば、目の前にいる人にであれば、直接“それ?”を手渡すことで説明が可能ですが、離れている人であれば、写真や絵、もしくは、形や大きさ、色、重さ、何と似ているかなどと、“それ?”を表す固有の特徴を、電話や手紙、メールなどの手段で伝えようとします。
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こうした、それまで密接な関係にあった“それ?”に含まれる固有な特徴を取り出したものが情報であり、一端、切り離された情報は、映像や音声など、あらゆる形へと再構成が可能になります。
障害者IT利活用支援において、私たち支援者が関心を寄せるのは、この情報化の技術により、人にあわせて情報をわかりやすく、加工(再構成)できる点にあります。例えば、発声が困難な方では、コミュニケーション機器の利用で、文字や音声に変換して自分の言いたいことを他者に伝えたり、移動に不自由がある場合では、ワープロで作成した書類をメールで送ることで、職場に行かなくても仕事ができる点などが上げられます。
このようにIT利活用により、運動・知覚・認知機能のそれぞれに困難さを抱えていても、物理的な条件に左右されることなく、活動の機会が得られるように支援ができるのです。

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