記事一覧

トップ > 2008年09月22日

福祉機器ってなあに?第15回勉強会

ファイル 316-1.jpgファイル 316-2.jpg

今日の担当は『えと』くん。HP TouchSmart PC IQ500シリーズを紹介してくれました。(^-^)
さて本日の談話はOT田中先生より。
まだ、みんなには聞かせたことがない、普段は支援者向けに話している講義内容を紹介しました。

みんなから良く聞かれる言葉。。
「だって・だから・だいじょうぶ・・」
どう?根っから染みついていませんか?
なんか困ってることある?やってみたいことはなに?
と、聞いても、特にないと、ニーズが聞かれないことがあります。みなさんはどうですか?

『ノミのサーカス』という社会心理学分野の実験があります。
コップに『ノミ』を入れておくと、ぴょーん、ぴょーんとコップの高さよりも高く飛び跳ねます。そこで、このコップに蓋をします。当然、『ノミ』は蓋の高さまでしか跳ねることができなくなります。
では、ここでクエスチョン!
コップの蓋を取り除くと、『ノミはどうなるか?』

実は。。コップの蓋があった高さまでしか跳ねなくなるそうです。
この状況を、セリグマン(Seligman,M.E.P)という人が、自分の行った行為と成果が結びつかない統制不可能な状況が繰り返し起こることで、学習性無力感(learned helplessness)を獲得すると述べています。

これは、誰にでもおこることです。例えば、誰だって苦手な教科の一つぐらいあるでしょ?これも、努力してもなかなか実らなかったりすると、だんだんと関心がもてなくなる。苦手なことがあたりまえになってしまう!

ではではです。先ほどの『ノミ』の実験で、今一度『ノミ』がコップの高さよりも高く、飛び跳ねるようにするにはどうしたらよいのでしょう・・・?
ファイル 316-3.jpg
勉強会参加者からは『コップの底に木を入れて上げ底したらよい』『高く飛べるノミを一緒に入れたらよい』
どれも、おもしろい返答です。(*^_^*)

答えはありませんが、キーワードは、『スモールステップ』『段階づけ』になります。

「おーーい!ノミ!おまえはまだ飛べるんだ~。だからがんばれ」って声をかけても、ノミには届きませんね。。

気づき(awareness)が大切になります。言葉だけでなく形で見えるようになることが必要です。
ただし、形が変ったことを感じ取れるアンテナが重要です。これを最近の言葉でいうと感受性・センシビリティ(sensibility)になります。

このため、福祉機器・道具の導入次第で、人も変っていく。
当事者となる方は、答えをもっていません。

教育のパラドックスという言葉をご存じですか?
その生徒の何が善いことかは誰にもわからないそうです。。
どうですれば、善いように成長していくのか?

わからないから、一緒に考えていく。
教師はただ生徒が善くなるだろうという前提のもとに、自ら生徒を善くしようとする行為を止めないで、常に提案していくことが求められているそうです。
やはり教育活動とは凄いですね。

今日はいろいろなキーワードがでました。
みんなのセンシビリティはどうかな?

今日のキーワード
「学習性無力感」「気づき」「提案力」「センシビリティ」
「ニーズ」「教育のパラドックス」「スモールステップ」